猫が歩くとき下っ腹がぶよぶよしますか?歩くとき猫の腰はくびれていますが、お腹は地面にくっついていますか? 横向きになった猫のお腹を見ると、たるんだ下っ腹の皮膚が見えますか?
猫を飼っている飼い主が、猫の下に垂れ下がったお腹の皮を、お腹の肉と誤解していることがよくあります。 上記のような特徴を持つ猫の下っ腹はお腹の肉ではなく「プライモーディアルポーチ(primordial pouch)」もしくは「ルーズスキン(looseskin)」です。

それではプライモーディアルポーチの役割は何でしょうか?
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臓器の保護
外部の衝撃から臓器を保護する役割をします。 猫たちは喧嘩をするとき前足で相手を掴み、後ろ足で相手のお腹を連続で攻撃して臓器を傷つける技を使います。この攻撃から臓器を保護する役割をするのがプライモーディアルポーチです。
動きのサポート
猫は高いところに登ったり飛び降りたり、体を長く伸ばしたりしながら素早く走れます。 プライモーディアルポーチのおかげで後ろ足の皮膚を好きなだけ伸ばしながら柔軟で素早い動作を実現できます。
より多く食べるため
猫がペットとして受け入れられる前、狩りに失敗すると飢えてしまう野生動物でした。 そのため、狩りをした餌を一度にたくさん保存できるようにプライモーディアルポーチが発達したという説があります。

アメリカンショートヘア、ベンガル、エジプシャンマウ、ピクシーボブのような短毛種が長毛種よりプライモーディアルポーチが発達しているという研究結果があります。短毛種は骨格が大きく、脚が長いため運動能力に優れ、活発な性格で活動量が多いという共通点があります。 このような特徴を持つ短毛種の猫は、長毛種よりもプライモーディアルポーチが発達している点を考えると、狩りに特化した種と言えます。
室内で飼っている猫たちは活動量が少なくて肥満になりやすいです。 プライモーディアルポーチは肉眼ではなかなか見分けがつかないため、お腹の肉をプライモーディアルポーチと勘違いする可能性があります。お腹がふっくらしていて触ったときに硬かったり、肋骨を触った時に原子袋が分かりづらいかなどを確認して専門家に相談してみてください。